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日本一の飲食企業へ。相模原から「飲食」を変えるグローズバルの挑戦

「相模原から飲食業界を変える。これが、ぼくの使命だと思っています。」
 
神奈川県相模原市に拠点を置く株式会社GROSEBAL(グローズバル)の吉田茂司さん。現在、完全個室イタリアンレストランバー『ラヴァーズロック』、とろけるハンバーグ専門店『福よし』、バーガーズカフェ『グリルフクヨシ』などのブランドを展開しています。
 
中でも、とろけるハンバーグは、
●「2016年度 モンドセレクション」受賞
●「楽天ランキングハンバーグ・洋風総菜リアルタイムランキング」第1位
●「楽天デリバリーランキング お弁当部門」第1位
●「東京メトロ グルメランキング」第1位
●「寺門ジモン厳選 極上グルメ祭り」出店
●「相模原名物料理選手権 S-1グランプリ」第1位
など、グローズバルの代名詞ともいえる人気商品となっています。
 
コロナ禍でもとどまることなく挑戦を続ける吉田さん、もとはビルの電気技師というまったくの門外漢でした。
 
相模原を拠点とする理由は? そして、グローズバルがめざす未来はどのようなものなのでしょうか。その想いを語っていただきました。

プロフィール
吉田 茂司(よしだ・たかし) グローズバル(GROSEBAL)代表取締役社長
1975年3月22日、熊本生まれ、神奈川県相模原市育ち。工業高校卒業後、大手デベロッパーの企業で6年間、電気技師として従事したのち、ITビジネスで起業をしようと会社を退職。アルバイトで始めた飲食業だったが、お客様の反応をダイレクトに感じられることを魅力に感じ、飲食の世界へ。飲食事業の他、とろけるハンバーグの通販事業、飲食店コンサルティング・プロデュース等を手がける。人生の目的は「人を喜ばせること」。


28歳、アルバイト先のBARのオーナーに

高校卒業後、ファッションビルの開発を手がける上場企業で電気設計に携わり、6年間勤務した吉田さん。
退職後、ITバブルで起業家が目立つようになっていたことから、自身も起業をめざしパソコンの勉強を始めます。同時に吉田さんの地元である相模原のBARで、バーテンダーとしてアルバイトを始めました。

創業時(駅前に移転前)のラヴァーズロック

そのお店が、現在、運営する飲食店ブランドの1つ「ラヴァーズロック」。飲食との最初の出会いでした。
わずか半年で店長に抜擢された吉田さんは、3年ほど勤めた頃に独立を決意。当時のオーナーに相談したところ、返ってきたのは意外な答えでした。
 
「じゃあ、うちの店を買わないか?」
 
現場での働きぶりから信頼を得ていた吉田さんは、アルバイト先だった約120坪の大型のレストラン&バーの譲渡を持ちかけられたのです。
 
購入を決断し、28歳にして約2400万円でお店を買い、予想もしなかった形で経営者人生がスタートしました。

サプライズやユーモアを交え楽しませてくれる姿は今も昔も変わらず

「最初は目の前にいるお客さんを喜ばせること以外、何も考えていませんでした。だから何をするにしても、とにかく楽しくて。
 
いろいろな人と話せるし、『今日も来たよ!』と、みんながこの場所に集まってくれる。見方を変えれば、芸能人にでもなったような気持ちです。頑張れば頑張るほど、お客さんを笑顔にできるわけです。
 
飲食の仕事は楽しい。それは間違いなく言えます。
でも続けていくうちに、『楽しい』だけではないということも分かってくるんですよね」

飲食という仕事の楽しさを知った一方で、経営者人生をかけて取り組むことになる難問にぶつかったのです。

飲食業界を、ぼくらの手で変えていく

業界を取り巻く労働環境に大きな問題意識を持つようになった吉田さん。当時から、飲食業界では働き手が安く雇われ、給料も増えづらい状態にあったのです。

「ぼくが創業した当時、飲食業界では従業員がとても安く働かされる傾向にありました。
 
飲食店が果たすべきは『お客さんを全力で喜ばせる』ことのはず。なのに、それを実現する立場である企業側の土壌が整っていなかったんです。
 
給料は安く、労働時間は長い。有給休暇もろくに取れません。馬車馬のように働いて、歳を取ったら切り捨てられてしまう。

目の前の人を幸せにできる。こんなに素敵な仕事はないのに、それが寂しくて悔しくて。そんな業界を変えるために、グローズバルを創業しました」

海外の催事にも積極的に出店

グローズバルは、飲食業や通販事業で売り上げの柱を立てつつも、イベントのプロデュースや出版、映像の企画・制作など、幅広く事業を展開しています。
 
それによって収益を安定させつつ、給料を上げ、有給休暇取得などを推進。飲食店の「楽しさ」を感じながら、従業員が気持ち良く働ける職場をつくってきたのです。
 
こうした地道な努力の結果、いまや給与水準は同規模の飲食企業でもトップクラスにできたと、吉田さんは胸を張ります。

「たぶん、ぼくと同じ悩みや壁にぶつかってきた人は、これまでにもたくさんいたはずです。でもなかなか解決できない問題に、この業界から撤退した人もいれば、諦めて旧来の労働環境に戻してしまった人もいたことでしょう。
 
飲食の労働問題を完全に解決できた企業は、おそらくまだ出てきていないと思います。そういう意味で、誰も歩んだことのない道をぼくたちは歩いているんです」

相模原で活動を続ける理由

成長を続けるグローズバル。相模原に拠点を置く理由についてはこう話します。

「飲食を学んだ街なので、ひとつは恩返しですね。
 
また、相模原は伸びしろのある大きな可能性を秘めた街ですが、まだまだ未開発の部分が多く、ここでビジネスをする意味はとても大きいと思っています」

好みの焼き加減でいただくとろけるハンバーグ

『とろけるハンバーグ』の出会いのきっかけも、ここ相模原にあります。
 
『とろけるハンバーグ』は、もともとは『福よし』のオーナーシェフであり、吉田さんの地元の先輩でもある住村哲央シェフ(現フクヨシグループ会長)が開発したもの。
 
それを食べた吉田さんは、あまりのおいしさに、「これは絶対に行列ができる……」と考えました。
 
「どうすれば、このおいしさを広められるのか……。
とにかく、もっと多くの人に『とろけるハンバーグ』のことを知ってもらうしかない」
 
そのためにコンテストに応募するなど、あらゆる手を尽くしました。
 
吉田さんの熱意もあって、とろけるハンバーグは『2016年度モンドセレクション』を受賞。ほかにも、『楽天デリバリーランキング お弁当部門』第1位、『東京メトロ グルメランキング』第1位などの賞を次々に獲得。そのおいしさは、瞬く間に広がっていき、今では相模原を代表する名物と言っても過言ではないでしょう。
 
また、吉田さんはグローズバルの経営に尽力する傍ら、地域の様々な活動にものめりこんでいきます。
相模原青年会議所相模原商工会議所青年部相模原ロータリークラブなどに次々と加盟し、企業間の交流や、祭事の企画・運営、地域のごみ拾いなど、地域のまちづくり活動に取り組んできました。

実は、かき氷マイスターの吉田さん。地域のイベントではかき氷ブースに立つ

「人に喜んでもらいたいから、一緒に加盟しようと声を掛けられたら断れなかったんです(笑)。
でも、活動を通じて知り合った仲間はみんな、『相模原が大好き』な人たちでした。
そんなメンバーと一緒に活動をしていたら、相模原への愛着も自然と高まりましたね」

また、最近では相模原市内の子ども食堂に毎月食材を提供するなど、活動の場を広げています。
 
「これもひとえに、大好きな相模原で、たくさんの人を喜ばせたいという思いだけ」
吉田さんはごく自然に、そして当たり前のようにこう話してくれました。

相模原から、全国、世界へ

グローズバルには大きな目標があります。それは「日本一の従業員満足度」、そして「日本一の顧客満足度」を実現し、日本一の飲食企業になること。
 
吉田さんは、これを実現するためには『飲食店のABC』を押さえる必要があると言います。
 
A:高級レストラン……ミシュランに掲載されるような高級店
B:ローカルレストラン……地方に根付いた地元貢献型の店
C:チェーン店……広く均一な品質を保ち、多店舗展開できる店

「全国を見ても、ABCをすべて持っているところはほとんどありません。AならA、BならBと特化するところが多く、両立できたとしてもAとBなど2つまでです。
 
ABCの3種類を安定して展開できたとき、飲食に関わるすべての人を幸せにできる企業になれる。
 
誰もが気持ち良く働き、お客さんを全力で笑顔にできる。そんなお店をつくりたいんです」

今後5年で新たに100店舗を出店し、10年以内に株式上場を目指します。また、2022年にニューヨークに進出した『とろけるハンバーグ』ですが、さらにヨーロッパやインドなど海外進出も進めていく予定です。
 
そして驚くことに、『とろけるハンバーグ』は地球の枠を超えて、既に宇宙に進出しています。

MOMO3号機に『とろけるハンバーグ』が搭載された

吉田さんは、ホリエモンこと堀江貴文さんが創業者である日本の民間宇宙企業『インターステラ・テクノロジズ(Interstellar Technologies)』に出資している宇宙ビジネスの支援者でもあります。
2019年4月には、自社の人気商品『とろけるハンバーグ』を搭載したロケットが宇宙空間へ飛び立ちました。
 
相模原市は、『JAXA宇宙科学研究所』相模原キャンパスがあり、宇宙ビジネスとも親和性の高い地域。偶然か必然か、相模原で生まれた『とろけるハンバーグ』は、世界初の宇宙に行ったハンバーグとなりました。
相模原に「恩返しがしたい」と語ってくれた吉田さんですが、自身が楽しく面白いことをしたいと思い常に行動する姿に、運が味方をしているようにも思えます。

「人口減少が叫ばれる中、相模原市の人口は増加しています。
約1.6kmにもわたる市役所さくら通りの桜並木や、宇宙を身近に感じられるJAXA相模原キャンパスなど魅力的なものも沢山ある。
そんな相模原を、全国、世界に誇れる街にしたいんです。
 
そのためにぼくたちができるのは、やはり飲食。『とろけるハンバーグ』を相模原から全国に届け、知名度を高めていきます。
 
たとえば、旅行先で出身地を聞かれて『相模原です』と答えた時に『えっ、あのとろけるハンバーグの!?』って言ってもらえたらすごいじゃないですか(笑)。
 
地道なブランディングでも、少しずつ『あの相模原か!』と知ってもらえるようになる。これを全国、世界で実現したいんです。
そうすれば、相模原の魅力を世界中の人に知ってもらえるじゃないですか。
 
だからこそ、ぼくたちはずっと相模原を拠点に成長していきます」

相模原を中心に、飲食で世界を目指す。
吉田さんのこれほどまでの熱量は、どこから湧いてくるのでしょうか。

「使命感です。
グローズバルを創業した瞬間から、何か理由があったわけでも、いくつかの選択肢から選んだわけでもありません。
創業時から、肚は決まっていました。これがぼくの『すべきこと』なんです」

自分が信じて納得しているからこそ、誰かに説明するための理由なんていらない。
インタビュー中も終始、迷いなく、楽しそうに語る吉田さんの姿は、そう語りかけてくるようでした。

*   *   *

■グローズバルHP
http://grosebal.jp/

■グローズバル店舗情報
http://grosebal.jp/restaurant/

■とろけるハンバーグ通販サイト
https://www.torokeru.jp/

■Burgers Cafe Grill Fukuyoshi
https://burgerscafe-grillfukuyoshi.com/

■相模原青年会議所
https://sagamihara-jc.com/

■相模原商工会議所青年部
https://s-yeg.gr.jp/

■相模原ロータリークラブ
https://sagami-rc.jp/


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